オーディオ処理オブジェクト(Audio Processing Objects)

Equalizer APO ソフトウエア

オーディオ処理オブジェクト(APO)とは何ですか?

オーディオ処理オブジェクト(APO)はあらゆるオーディオを処理するカスタマイズ可能な
ミドルウェア群です。
実体は デジタル信号処理のための再利用可能なCOM(Component Object Model)オブジェクトです。
ユーザーが指定、あるいはアプリケーションが指定して、より低位(物理層)のオーディオ
デバイスドライバーを指定して、オーディオ関連処理を実行することが出来ます。


Equalizer APO について

低音処理や仮想サラウンドなどの一般的な機能は、Windowsの既定のAPOとして実装されており、
また、ゲーム用ヘッドセット等のゲームギアや、高品質サウンドカードなどもハードウェアに
特化したベンダー提供APOが用意されていることが多い。
さらに OSS(Open Source Software)で開発されているイコライザーや各種バンドフィルターや
プラグインなどのオーディオデバイスに汎用で使える Equalizer APO が有名です。
Equalizer APOはAPOミドルウェア群を使用したアプリケーションソフトと言えます。

音響効果に威力のあるEqualizer APO イコライザーを送信機のマイク入力に適用することで、
送信音をイコライズできる。すなわち、不必要広がっているオーディオ信号部分に対して
Equalizer APOを使用してカットできれば、RF送信信号の占有周波数帯域に制限がかけられます。
(終段アンプなど直線性が必要なアンプを歪ませなければ)
ここで好都合なことに、Equalizer APOはIIR(Infinite Impulse Response)フィルターを採用して
FIR(Finite Impulse Response)フィルターよりも、同次数なら急峻な遮断特性を実現できるので
無線関係のオーディオ占有周波数帯域制限には効果的です。
音楽リスニングのイコライザー用途なら直線位相特性を持つFIRフィルターの方が向いていると
個人的には思うのですが...

ここで、Equalizer APOを使用して FreeDVが生成したオーディオ変調信号に帯域制限をかけて
効果を確認してみたいと思います。
RADEV1 Waveform Description の Figure 3 を見ると、FreeDVが生成したRADE信号が
1.5KHz帯域幅に収まっているのは-15dB程度で、それ以下は帯域が広がっています。

狭帯域のバンドパスフィルターに設定したEqualizer APOを使用すると次図のように
-40dB程度まで1.5KHz帯域幅に収めることができます。


下記画像は送信電波をKiwiSDR局で受信した時、占有帯域幅をSSB波と比較したものです。


Equalizer APOは、PCで再生されるすべての音にオーディオ処理をかけられるWindows用の
パラメトリック/グラフィック イコライザーです。
プリアンプ / ディレイ / ピーキング・フィルタ / ローパス・フィルタ / ハイパス・フィルタ
/ バンドパス・フィルタ / ローシェルフ・フィルタ / ハイシェルフ・フィルタ / ノッチフィルタ
/ 15 バンドイコライザー / 31 バンドイコライザー / ラウドネス補正... などのフィルタ処理を、
指定した再生デバイス / 録音デバイスに操作することができます。
Equalizer APOソフトウエアの入手は、下記からダウンロードできます。
https://sourceforge.net/projects/equalizerapo/files/
バージョン1.4.1(最新版)及びソースコードは下記から
https://sourceforge.net/projects/equalizerapo/files/1.4.1/

インストール後、Device Selectorの設定

「Playback devices」タブ内のアイテムは再生デバイスで、
「Capture devices」タブ内のアイテムは録音デバイスです。
Equalizer APOによるイコライザー効果を適用したいデバイスにチェックを入れます。
ここではPlayback devicesのFT-991を選択しています。

Equalizer APO Configuration Editorを起動します。

緑色の+表示のプルダウンメニューから、利用したいフィルタを追加&パラメータを
設定していきます。ここでは、Graphic equalizer with variable bandsを選択しています。

フィルターのオン/オフSWはエディターパネルの左端にある電源マークをクリックします。